不審な男 莉愛side

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___ガタッ 扉の向こうから、大きな物音がした。 莉「歩美?」 しんと静まった扉の向こう。 歩美じゃない。それだけは確かだ。 得体のしれないものがたった一枚の扉の向こうにいる。 そう考えると恐怖が沸きあがってくる。 ゆっくりと扉に近づき、そっとドアノブに手を伸ばす。 扉を開けると、そこには男がいた。 莉「あなた、誰?」 ?「う、、、。」 不審な男は、頭から血が出ていた。 意識もはっきりしていないのか、うめき声を消えそうな声で出すだけだった。 莉「、、、仕方ないわ。」 私は、ひとまず彼をベッドに運ぶことにした。 だが、重くてとてもじゃないが、運べそうにない。 私は、幼い頃に使っていたタイヤ付きのおもちゃ箱を持ってくると、彼を中に入れてベッドまで運んだ。 莉「おもちゃ箱に入っている男性、、、滑稽だわ。」 少しだけ、笑ってしまった。 この出会いが、大きな人生のターニングポイントになるとは、思いもしなかった。
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