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部屋を出ると、薄暗い廊下がたった5m。
その先は下に続く階段になっている。
廊下にも、階段にも彼のものと思われる血が垂れていたので、ハンカチで拭きながら進む。
階段の先にはまた扉があり、開くと、そこは宝物庫がある。
いつも不思議に思っていたが、私の部屋にはこの部屋の隠し扉からしか行くことが出来ない。
他の部屋はこんなに入り組んでいないのに、面倒で仕方がない。
宝物庫を出ると、ようやく廊下に出る。リビングは目の前の部屋だ。
___ガチャ
リビングに入ると、美味しそうな良い匂いがしてきた。
莉「今日のメニューは?」
歩「いいお肉が手に入りましたから、メインはプレゼにしました。」
莉「そう。美味しそうね。」
歩美は料理上手だと思う。
毎日美味しい食事を作ってくれる。
でも、「退屈だから料理をしてみたい」というと、いつも決まって「危ないですから」と言って聞き入れてくれない。
いつまでも子ども扱いしなくても良いのに。
歩「お口に合いましたか?」
食事を一通り終えると、歩美はいつも味について問う。
莉「もちろん。この後、お部屋で編み物をしながらさっきのスープが飲みたいから、カッ プに入れてくれるかしら?」
歩「かしこまりました。お熱いですから、私が持っていきましょうか?」
莉「大丈夫よ。ありがとう。」
いつまで子ども扱いするのかしら。
そう思いながらスープを受け取り、部屋へと戻った。
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