冒険者に会ってみたい

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冒険者に会ってみたい

「視察に行きたい」 「駄目だ」 「まだどことも言っていないだろう!?」 まっすぐな長い金の髪を綺麗に編み込ませた青年が己の傍らで護るように立つ短髪赤毛の青年を腹ただし気に見やったが、向けられた視線などまるで無視して赤毛の青年は佇んでいた。金の髪の青年はピーファウルという。立場のある家の次男でなんでもそつなくこなしはしたが、そのほとんどが平均値を超えるものでもなく、なんでもできるがなにもできない、期待値を下回る事はないけれど、期待以上の事はできない。立場のある家に生まれ人の上に立つ人間としてはやや微妙な評価を周囲から下されていた。 中央商業都市治安維持本部冒険者生活保障科科長室。 世界には様々な種族と種族の国家が入り乱れている。特に突出して強国家なのがエルフ、ついでオークだろう。あとはそれぞれ目立った特性があるもののエルフにもオークにも及ばない獣人族が有象無象と入り乱れていた。     
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