第8話 明日を切り開け!!

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トウカ「イオリ...」 ダメージで仲間が無残にやられる所を見ているしか出来なかった悔しさを支えに青龍は立った。 しかしそれが精一杯。最早力も策も尽きた。 向かってくるシルバに蹴りを放つ。それをいとも容易く受け止められ まんまと隙を与えた。 ドウッ!! トウカ「しまっ...」 シルバがレスリングタックルであっという間に懐に突っ込んでくる! シルバ「ふんっ!!」 そのまま背筋力を使って一気にトウカをリフトアップ!青龍を逆さまのまま右脇に抱え込む。 大見得を切るシルバ。待ってましたと観客は今宵1番の盛り上がり。 シルバ「行くぞ...」 トウカにだけ聞こえる静かで 落ち着いていてとても闘争の中で出したとは思えない穏やかな死刑宣告。 シルバ「はっ!!!」 銀狼妃が短く息を吐き トウカを抱えたまま飛んだ! 空中で足を投げ出し落差を増加。その増加分はそのまま威力に! 聖なる輝きを放つ銀髪が 髪と同じ光を放つ狼尾が 彼女の華麗で苛烈なムーブを際立たせるコスが万有引力の法則に従い靡く。 この美しき技の名は「シュバイン」 数々のレスラーの夢を砕き 栄冠をシルバの手にもたらした必殺技。 ゴシャッ!!!!! トウカはこの芸術の1部となり真っ逆さまにリングに突き刺さる。 味わった事の無い激痛が脳天から爪先まで一気に駆け抜ける。 シルバが彼女を解放してもトウカの体はリングに刺さったまま。 数秒の沈黙の後ゆっくりと大の字に倒れた。 「ワン!ツー!!スリー!!!」 カンカンカンカン! ここに勝負は決した。 誰もがこの結果は解っていた。3人の格を考えれば当然。 しかし そんな下馬評という名の現実を忘れさせてくれるくらいトウカとイオリはシルバを追い詰めた。 その証拠にこんな奥義を若い選手には使わない。 「シュバイン」と「メテオラ」これはタイトルマッチ級の試合にしか出さない。出す必要が無い。 それを引き出したのは青龍と白虎の粘りと 内から漏れ出るレスラーとしての才能 これまでの努力。 そして何としても明日を切り開くという固い意思のもたらす非科学的で汗くさく泥まみれで美しい力だ! それはどんな格上の相手も貫くプロレスラー最強最大の必殺技である。 ↓シュバイン image=513124490.jpg
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