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ヒカル「先輩!!」
コールドスプレー片手にヒカルがリングに飛び込む。
イヅナ「やれやれ シルバの奴 本気ではないか...」
いつの間にか神妖ノ門サイドに居座ってるイヅナも氷嚢を2人の首にあてがう。
ヌエコ「大丈夫かお前ら」
この試合敢えてセコンドにも付かず2人の覚悟を見守ったヌエコが初めてトウカとイオリに声を掛ける。
しかし2人とも声も出せない。スタミナが完全に底をつき荒い呼吸を繰り返すのみ。
シルバ「はぁ...はぁ...はぁ!!おい!神妖ノ門!...やるじゃねぇか!切原さんなんちゅう化け物育ててんだ...」
吼えるのは勝者の特権。サキが渡した氷嚢をドライブ・ドラグーンで打ちのめされた首に当てながらマイクを握る。
シルバ「自分で言うのもなんだけどよぉ...これがトップだ。これが一流の力だ!間違いじゃねぇよなぁファンの皆様よぉ!」
シールーバ!シールーバ!
彼女のマイクに客席は大シルバコールで肯定してくれる。
シルバ「まさか負けて当然とか思ってねぇよな?そんなひ弱な奴が俺の攻撃をここまで耐えられねぇよ!」
「こっからだぞ...お前らはこっからだ!俺に負けたから二流?雑魚?違う!お前らはまだまだ強くなれるんだ!」
「昔のすげぇレスラーが言ってたよ。プロレスは点と点を結んで線にする格闘技だってな。俺らDWの点とお前らという点 これが今日繋がって線になったんだ。」
「レスラーが繋がった線には必ずドラマが生まれるんだ!それは何度でも!今日はスタートラインだ!」
「そういえば昨日サキがヒカルにいい事言ってたな...同じ言葉をお前らに送るよ...」
「お前ら...ルチャリブレにようこそ プロレスの世界にようこそ!」
「本物を知り 悔しさを知り 苦痛を知って それでも立ち上がり前に進め!」
「そんでもっともっと強くなったらまたやろうぜ...頑張れよ!アディオス!」
マイクを投げ颯爽とリングを去るシルバ。その立ち振る舞い全てが最後まで超一流のプロレスラーだった。
そんな主役が去っても歓声は鳴り止まない。
歓声はまだまだ走り出したばかりの3人に送られるエール。
不覚にも未熟なトウカとイオリは歓声はに応えれるほど力は残っていない。
ただその期待に応えるべく丁寧に感謝と誓いを込めて深々と礼をする。
そのズタボロでも尚美しい弟子の姿に師匠ヌエコは人知れず 涙を流した。
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