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第9話 新たなる覚悟
「黙想やめぃ!互いに礼!」
「「「ありがとうございました!」」」
スペースコロニー「KYO」の日が沈む。
西日に照らされた野外リングに佇むレスラー達。
DWから戻り 再び流浪の試合を繰り返していたトウカ イオリ ヒカル そして師ヌエコ おまけにイズナ。
最近はそれぞれ別行動も増えて来ている。
例えばヒカルだ。彼女はあの後も定期的にDWに参戦し 技術と見せ方を磨いている。
1度翼を広げた朱雀にとってあのリングはまさに楽園。
イズナをマネージャーに据えて キザったらしいハイフライヤールードとして市民権を得ていた。
昨日までワンシリーズ全ての試合に出場し 準レギュラーの地位とファンからの市民権を得ていた。
イズナ「ふぅい~...ヌエコの練習はキツイのぉ...お主もそう思わんか?」
心底疲れたようなため息をつきながら隣にいたレスラーの背中をポンと叩く。見慣れない顔だ。
?「そうですかね?こんなもんでしょ」
その女が素っ気なく応える。
彼女の名は「鮫島カレン」フリーランスのレスラーだ。
深く深くどこまでも底が見えない海の如く深い碧に染まった艶のある髪。
ギロリと鋭い三白眼。
チャームポイントは大きな口から覗く真っ白な歯!
とても清潔感があるが歯の1本づつが大きく鋭いギザ歯。まるでノコギリだ。
そんなカレンの歯を見るには大きく仰け反らなければならない。
カレン最大の特徴はなんと言ってもその巨躯である。
身長195cm 乙女なので詳細は解らないが体重は120㌔程ある。
軽量 中量級が多い神妖ノ門メンバーとは比べ物にならない。
久方ぶりの本拠地での合同練習に現れた巨鮫は出稼ぎに出ていたイオリが連れて帰って来た。
イオリとカレン この2人は出会うべくして出会った宿敵。
イオリがメンバー以外で初めて出会ったライバルなのだ。
この日もイオリと競う様にトレーニングをし その事をヌエコにどやされ 魔獣の折檻を初体験。
しかしスパーリングなどで見せるポテンシャルは素晴らしい物があり 腕っ節1本で業界を渡り歩かねばならないフリーランスとしての実力は十分に備えている。
しかし彼女「鮫島カレン」としてはまだまだ無名。世には「マスク・ド・スクアーロ」鮫仮面として名が通っている。
何故彼女が長年連れ添ったマスクと決別し素顔で神妖ノ門にいるのか それは1ヶ月前に遡る。
↓鮫島カレン マスク・ド・スクアーロ![image=513234714.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/513234714.jpg?width=800&format=jpg)
![image=513234714.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/513234714.jpg?width=800&format=jpg)
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