序章 インディー

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インディー団体 それは強者達の描く夢の形 古の日本に2つのプロレス団体が存在した。 1つは古き良きプロレスを守りそのプロレスを「王道」として未来に繋いできた。 もう1つはゼロからプロレスを作り上げて行った。 かつてのプロレスには無かった過激なマッチメイク 異種格闘技戦 テレビの中からヒーローが飛び出す プロレスには無かった過激なドラマをリングに持ち込んだ。 その一方で2つのメジャー王国が輝きを増す中 1人のカリスマが己の理想郷を築く。 より熱く より愉快で より過激に 時にはリングで爆破も行った。 それは時に「邪道」と呼ばれる事もあったが誰も彼もメジャーには無い荒削りな夢に酔いしれた。 それから1つ また1つとインディー団体が生まれては消える多団体時代の到来。 ある団体は異国のプロレスを根付かせる為に ある団体はプロレスで寂れた街を勇気づける為に ある団体はレジェンドレスラーが最後の理想郷とする為に 理由は千差万別なれどそこには夢があった。 それから幾星霜 他団体インディーの血脈は宇宙時代のプロレス界にも引き継がれる。 その規模は数人の団体から メジャー団体スペ女に勝るとも劣らない団体まで千差万別。 しかし生まれた数と同じ数だけ消えて行くのも変わらない。 そんな中で風前の灯まで衰退したとある団体があった。 ある日は宇宙最高峰のリングに喧嘩を売り 身を削る様な戦いで団体の道を切り開いたスターがいた。 しかし時の流れという名の激流は笹舟の如き団体を容易に押し流す。 スターの引退 メジャーの侵攻 そして選手の大量離脱 最早その団体はプロレス団体としての機能を失いつつあった。 そこまで落ちぶれてもプロレスに対する思いと誇りで耐え抜き 新たな綺羅星達を育て上げ 今 全宇宙に君臨するスペ女に牙を剥く!! これはそんな美しい馬鹿野郎共がただひたすら明日に向かって駆け抜けた記録である。
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