第3話 レスラーへの第一歩

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第3話 レスラーへの第一歩

「黙想やめぃ!それでは互いに礼!」 「「「「......ありがとうございましたぁ~...」」」」 夕日に照らされる野外リングの上でトウカ イオリ ヒカル ミサトは師範であるヌエコに三指着いて礼をすると同時にへたりこんでしまった。 4人とヌエコが出会った次の日から特訓が始まった。 「おきろぉぉぉぉ!!!!!!」 「「「「うわぁぁ!!??」」」」 まだ朝日も登らぬ早朝の合宿所に響く魔獣の咆哮! 銅鑼の如し恫喝に跳ね起きる4人 「グッドモーニング!いい朝だなひよっこ共!」 「なんだよ!歳のせいで早起きにも程があるぜ!」 バシ! 起き抜けでも得意の生意気な口を叩くイオリに目覚ましの竹刀が振り下ろされる。 「いってぇぇ!!」 「無駄口叩いてねぇでさっさと着替えなお嬢様方 練習に行くぞ!」 「こんな時間からですかぁ?」 薄暗い部屋でメガネを探り当てたミサトが信じられないといったい声色で恐る恐る尋ねる。 「安心しろよ ただの散歩さ いきなりベンチプレスなんてさせないよ」 「散歩して 軽く汗流して うまい飯を喰う 最高の朝だろ!ほれさっさと着替えて行くぞ!」 まるで4人のおふくろさんの様にジャージを投げ ケツを叩かれながらいそいそと着替える血の繋がらぬ姉妹達 「でもこの人がほんとにただの散歩なんてさせるのかなぁ?」 トウカはとてつもなく嫌な予感がしていたが 道場を出てからゆっくりと のんびりと散歩が行われた。 そうゆっくりと ただ異常だったのは距離だ。 「へぇ...へぇ...どこまで行くんですかぁ??もう歩けませぇん!!」 バテバテのヒカルがヌエコに縋る様にも泣き言を言い始めた。 「もうすぐだ!気合い入れろ!」 ヌエコは平然としてるが 他の奴らはヒカル同様疲れ切っている。 なぜなら5人は街中の道場から出発し 延々と歩かされ 気が付けば周りはコロニー「KYO」の美しい風景に変わりつつある。 「ついたぞ!」 朝っぱらからヘトヘトの4人を朝日が優しく照らす。 目の前には朝露に濡れた看板 そこには「スマイル農場」とある。 「お~!ヌエコちゃん ありがとねぇ」 「よろしくお願いしますよ!コイツら好きにこき使って下さい」 「あの~...これはいったい??」 「散歩したから 軽く汗を流すぞ!お前ら 今からここでバイトだ!」 「「「「はぁぁ??」」」」
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