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その日曜日の話はお母さんやら伯母さんに聞いた話で私はよく覚えてません。その他にも従兄の話によると、少し足の不自由なクラスメートに何度も高いハードルを飛ばせた体育教師をボコったのはその中学校では伝説だとか。
「アカンのやなあ、イッポンギ、
正義感が強すぎて世馴れんのね」
ヨシタカちゃんの話をする時にお母さんは
必ずそれを言いました。
生まれてすぐお父さんを亡くし、中学校の時にお母さんを亡くしたヨシタカちゃんにとっては私のお父さんが父親で伯母さんが
母親みたいに暮らしていたようなのですが
私にはそのあたりの記憶はありません。
私の記憶のヨシタカちゃんは年に一度きり、家に来て仏壇の前にいたこと。初めのころは
「今、何してるんや?
どこに住んでるんや?」
お父さんは聞いてましたが、それもいつの間にか聞かなくなり、ヨシタカちゃんが帰るまで書斎から出て来ることはありませんでした。
「姉さん、ありがとう。また来るわ」
そう言った後、猫の首を撫でるように私の首をクイクイとさすってから笑顔で出ていきました。
風の噂では『ミナミあたりで水商売の女の人のヒモ』してるとか色々でしたが、本当のところをヨシタカちゃんが話すことは一切ありませんでした。
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