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祖母
僧侶の村、と呼ばれる村が、私の故郷だった。
より強く、より神聖な力を持つために僧侶同士で交わり、より強力な僧侶を産み出すことで気づけば僧侶だらけの村となっていたらしい。
その中で、とある年。一際強い魔力を持った僧侶が生まれた。
――それが、私の祖母だった
私の祖母は、誰がどれだけ修行を積もうとも敵わないほどの、代々僧侶の一族である一番の力の持ち主となった。
かつ、一族の宝だった。
私はそんな祖母が誇りだったし、大好きだった。一番強いのに威張らず、むしろ誰にでも優しい慈悲の心を持った、全ての僧侶のお手本のような柔らかいオーラに包まれた女性だった。
弱肉強食という言葉で埋め尽くされたこの世界では、力の強いものは威張って当たり前で、弱いものを見下す。
必ず。
見下さない人はいないといっても過言ではないほどに。だからこそ、弱いものを見下すどころか手を差し伸べる祖母は僧侶の鑑というに相応しい人だった。
全ての人の憧れであり、全ての人に愛されていた。
私が、世界で一番大好きで大切な人。
――その祖母が、一週間前に亡くなった。
……いや。
殺された。
私に。
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