5人が本棚に入れています
本棚に追加
意外にも、気の優しそうなおじいちゃんの校長先生は「わしゃ別に構わんよ」とすぐに許可をくれたのだが、それを聞いて慌ててやってきたエロ教頭が妨害してきたのだ。
あの手この手で校長の考えを変えようとするエロ教頭に、これではらちがあかないと思った羽澄は、最終手段として翔子から託された秘密兵器を見せつけた。
それは翔子が高画質な一眼レフで撮った、あのカツラ事件の写真。
まさか教頭も写真に撮られていたとは想像もしていなかったようで、見る見るうちに顔が青ざめていき、言葉を失っていた。
総勢七百五十人の署名数よりもたった一枚の写真の方が影響力が強かったようで、ついに初芝女子高校は、百三十年にも及ぶ悪魔の法律から解放されることに成功したのだった。
この歴史的快挙に、生徒議会はライブ会場並の盛り上がりを見せた。そして、活動中心にいた羽澄は生徒たちの救世主として一躍時の人となり、全校生徒がその名前を知ることになったのだった。
羽澄は体育館に向かいながら、去年経験した激動の生徒議会のことを振り返っていた。すると隣から不意に明里の声が聞こえてきた。
「さすがうちのナポレオン」
「やめてよその犬みたいな呼び方……」
ちらちらと周りの生徒が自分の方を見てくる光景に、明里がけらけらとお腹を抱えて笑っている。
最初のコメントを投稿しよう!