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『ーリントヘルム駅北口の映像です。街一色、色とりどりのイルミネーションに包まれー』
ピッ
『イヴのご予定は?』
ピッ
『それでは、気鋭のシンガー、ミロスワフの新曲、「ホワイトナイトメア、君と過ごした聖夜」です。お聴きください。どうぞ・・・』
ピッ・・・・・・・・・
「すべらない話観ようぜ?TV面白くねぇじゃん」
「賛ッッ成。何が聖夜だ知るか」
ソーンのヤツが不貞腐れながらRED=FOX(うどん)を啜る。こういう時のコイツは本当に機嫌が悪い。
現在時刻、12月24日の1827時。クリスマス・イヴだ。そして今居るこの場所はアラートハンガー待機室。周辺諸国機の領空侵犯に備え、絶賛防空任務の真っ只中。
「隊長もヒデェよなぁ・・・。独身者及び非モテを中心にこの時期アラート回すとか・・・ってかイルビスは?」
「教会行ってるよ。聖職者は大変だね~」
TVのチャンネルを誰かが変えたのか、サンタが子ども達にプレゼントを配るシーンが大写しになる。
「サンタね・・・・・・・・・」
「どした?」
頬杖付きながら遠い目になるソーン。
「何時から来てくれなくなったのかな・・・って」
「??」
「しかしまぁ、どうやって世界中の子供の枕元に届けてんだ?マッハ何出せば出来るの?某殺せ■せーでも無理くね?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ソーンは何歳まで信じてたんだ?」
「信じてたって?」
「サンタさん」
「?質問の意味がよく分からないな。」
「いや、サンタの存在だってば」
「へ?」
質問の意味をよく理解してないのか聞き返してくる。
・・・・・・・・・・・・
「ソーン、お前まさか未だに・・・・・・」
「?」
察しの通りの様だ。コイツ・・・・・・・・・
「純粋で居続けたら、ワンチャン最後にソーンのところ来るんじゃない?(知らんけど)」
「いや、無理だろー。もう23だし・・・」
その割には、さも自然に語るよね。
「仮にプレゼント貰えるなら何が良い?」
「還付金」
・・・・・・・・・・・・サンタの存在23でも信じてて、何でプレゼント希望は無駄に現実路線なのか・・・
「クルィークなら何が良いんだよ?」
「俺?俺はー酒?」
「夢が無いなぁ・・・」
「還付金が良いとか言ったヤツに言われたくないんだけど」
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