課外1:喫茶世界樹と学院七不思議

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 4人がけのテーブル。  先着していたエレナノムに向かい合う形で、エミュ先輩とホエール先輩が腰かける。  するとすぐに、ウエイトレスさんが来てくれた。  歳は、同い年くらいかな?  ピンク色の長い髪。  左横の髪を、碧(みどり)色の石が付いた髪止めでまとめて流している。  白と黒を基調としたお洒落でかわいい制服、黒いネクタイがポイント。  そんな彼女が、単価ゼロの営業スマイルを見せてくれる。  ほんと、いい店だな、ここ。 「ご注文を承ります」  じゃあそのウサギさん!  非売品です。  店員さんが差し出してくれたメニュー表をテーブルの中央に置き、これをみんなで眺める。  と思ったら、エミュ先輩はそれを見るそぶりなく答えた。  そっか、彼女は常連だった。 「私は、コーヒーホット。  砂糖とミルクはいらないよー。  あと、おまかせクッキー4人分」 「僕はカフェオレ、砂糖多めで」 「私も、彼とおんなじで」  最後の注文をしたのはノム。  彼女は甘党なのです。  ちなみに私は牛乳があんまり好きじゃないのでした。 「私はエミュ先輩とおんなじで、お願いします」  注文が終わると、ウエイトレスさんは一旦もどり、そしてすぐにドリンクとクッキーを持ってきてくれた。  みんなが一口づつコーヒーを口につける。  ノムは先ほど見損ねたメニュー表を閲覧しだした。  私も後で見たい。  さて、本題に戻ろう。  今日の目的。  学園について教えてもらう、だ。  しかし途中でエミュ先輩が『いっけねぇ、用事思い出した、メンゴ』とか言い出すかもしれない。  重要なの事から順番に聞いていきたいところだ。  そこで私は作戦を考えてきていた。
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