課外1:喫茶世界樹と学院七不思議

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「3つ目いくね。  3つ目の不思議は、『闇の監視人』さ」 「今度は監視人か」 「この学院には、3匹の闇の生き物が住み着いている。  蛇、猫、鳥の3種類。  でも、こいつらは不思議じゃないよ。  学院内をうろうろしていたら、結構簡単に見つけられる」 「闇の生き物って、そんなものが存在するんですか?」 「使い魔、だよ」  エミュ先輩の短い回答が、過去の出来事を脳内から引っ張り出す。  アリウス。  彼の扱うナイトリキッドの魔術。  それは収束させた魔導(エーテル)のエネルギーを、あたかも生物であるかのように操る魔術技能だ。   「エーテル学を研究しているヌメル教授。  彼が扱う魔導属性の魔法によって生み出されてたものなんだ。  でもすごいよ。  本当に生きているかのように、しかも自律して動くんだ。  もし学院内で見れたらラッキーだね」  闇の魔物見れてラッキーってあんた。  冗談なのか、本気なのか、よくわからん。 「さて、不思議なのはここからさ。  蛇、猫、鳥に加えて、もう一体いる。  それが人間。  闇の人間。  その存在が学院内で複数の人間から確認されている。  私も1度だけ見たことがあるのだけれど」 「僕も見たよ」  ホエール先輩が割り込んだ。  『ほぇぇ』とかいいだしそうな、非常に弱々しい表情をしている。 「容姿は真っ黒なんだけど、ローブを着ていて、そのローブのフードを深くかぶっている。  その瞳で見つめられたら呪いをかけられるとか、かけられないとか」 「怖っ!怖っ!」
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