課外1:喫茶世界樹と学院七不思議

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「この錬金術の分野で、最先端を走っているのは魔導工学専攻のクリクラ教授。  まずは彼女に話を聞いてみて欲しいんだ」 「自分で聞けばいいじゃないですか」 「だって教えてくれないんだもん。  こんなに敬愛してるのに。  なかなか私の愛が伝わらないんだ」 「愛ですか」 「みんなで作ろう、賢者の石!  みんなで作ろう、賢者の石!  ほら、エレナも早く言って!」  なんかテンションがおかし高くなった先輩に、今は付き合うしかないようだ。 「賢者の石~、おー」  私は軽く右手を突き上げて、ヘラヘラと笑った。  その隣でノムがちょこんと右手を上げていた。  かわいい。 「んじゃあ、次の不思議ね」 「先輩、マイペースっすね」 「5つ目の不思議。  それは、『学院地下の大迷宮』さ」 「学院の地下になんかあるんですね」 「ただし何があるかはわからない。  存在は確かだけど、入り口が封鎖されているんだよ。  危険だ、っていってね」 「崩落しそうなんですか?」 「魔物がいるんだよ」 「ダメでしょ。  突然地下から魔物が湧き出してくるんじゃないですか、学院内に」 「それはないよ。  過去の経験上はね。  この学院は月の女王の時代に建築され、それを改築改築して維持されてきたものなんだ。  そのころから地下空間は存在したと言われている。  でも本日まで、何かしらの事案が発生したという痕跡は残っていない。  ・・・。  なんの理由で地下空間を作ったのか。  なんで魔物がいるのか。  全てが不可思議な謎。  まさに不思議だろ」
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