第三夜

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 即漫画を読みふけるのは無し……にしたい。  だからって何をするかと言うと、何も無い。  ゲームは、漫画と変わらないし、そもそも井上がゲームをするイメージもそんなに無い。  映画やテレビを見てもいいけど、そうなると酒を飲みながらになりそうな気がする。  冷蔵庫の中に何本かアルコールはあるけれど、ちゃんと話をするまでは井上に酒は飲ませたくない。  一つ一つ消されていく選択肢は、結局ひとつに集約されていく。  完全素面の井上と話をしたいなら、もう、今言うしかない。 「井上」  井上はフライパンを洗いながら、「なぁに?」と言葉だけを返してきた。 「俺と付き合ってくれない?」  一瞬の間を置いて顔を上げた井上の頬は紅く染まっていた。そして「え、ええと ……」と困ったように小さく声を漏らして、洗いかけだったフライパンに視線を落とした。 「返事、急がなくてもいいから」
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