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「ミハエルはこの機械を見た時、凄く動揺してた。肉体の主導権の事もそうだけど、今までミハエルがこんなに慌てる事なんて無かったのに……」
「そう、なんですか?……この機械は、1000年前に造られたモノ、なんですよね」
「ああ。ミハエルが自分の国で作り上げていた機械の義体と、その補完型武装兵器。正式名称は、『アレクシス』。さっきも言ってた通り、当時の帝国の最新鋭試作機で、戦略兵器として造られた義体だよ。以前に夢で見た記憶がある」
「なんで、そんな物がここに……?埋まっていたんですか?」
「分からない。でもミハエルも動揺していたようだし、この場所にあるのを知らなかったようだ。そもそも、さっき僕等が来た時に、こんなモノは無かったからね」
「そう、ですね。さっきはこんな物、無かったですよね……」
「それに機体の状態も気になる。まるで、この場に1000年前の状態のまま、出現したような真新しさだ」
「……1000年前から、突然……」
「いったい、何がどうなってるんだ……」
ミハエルとの対話を終えたジークが、
改めてジークとしての顔でアイリと話し、
今までの事の経緯を簡単に教えてくれる。
ジークが述べた通り、
先ほどまでの騒動はミハエルが黒い機械、
『アレクシス』と呼ばれる機体を見た事で、
動揺と共に何かを逸り、事を起こそうとしたらしい。
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