第001話 

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本当に今にして思えば、 これは当然の結果だろう。 突如として路地裏から出てきた何かが店の前に来て、 落ちた食べ物をムシャムシャと汚く食べているのだ。 驚いたお客は一気に遠のき、 気持ち悪がって近づかない。 怒ったゴブリンの屋台主が、 そんなモノを蹴飛ばすのは当たり前だ。 そんな彼が怒鳴りながら、 汚い黒布を被った何かに近づいていく。 何を蹴ったのかを確認する為に。 近づいたゴブリンの屋台主は、 汚い布切れを足蹴して剥がし、 アタシの顔を見た。 ――……そして絶句した。 周りのお客や見物人も、 私の顔を見て気付き、 声を、悲鳴をあげている。 意識を失いつつある中で、 ぼんやりとアタシは思う。 あぁ、そんなにアタシは醜いのか、と。 そして視線を泳がせ変えた先に、 先ほどまでアタシが居た路地裏の道が見えた。 あぁ。アタシはあそこから、 出てきちゃいけなかったんだ。 たとえあそこで死んでも、 その方が良かったんだ。 そう思った。 その時に多分、 『私』と『アタシ』の意識と記憶が初めて交差した。 『私』の前世の記憶が『アタシ』を侵食し、 今の自分と前世(まえ)の自分が重なり合う。 そうだ。 私はずっと誰かに迷惑をかけて生きていた。 大好きだった家族に迷惑をかけて、     
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