916人が本棚に入れています
本棚に追加
嫌われたくない人に嫌われて。
そんな人生を前世も送っていた。
今もそうだ。
私のせいでこんなにも誰かに迷惑をかけている。
死んでからも、今ここにいてもそれは変わらない。
……あぁ、そうか。
だからお姉ちゃんは、
私も一緒に連れていこうとしたんだ。
私が生きていたら、
また誰かの迷惑になってしまうから。
きっとお姉ちゃんには、
それが分かっていたから。
お姉ちゃん、ごめんなさい。
ちゃんと連れていってくれたのに、
また誰かに迷惑をかけて。
ごめんなさい、ごめんなさい……。
もう何日も汚泥を飲んでいないのに、
私の目からは涙が出ていた。
ずっとこの世界には無い言語で、
ずっと謝っていた。
「ご……なさい、……ごめんな……い、……ごめんな……さい……」
誰に謝っているのか私自身も分からない。
でも、誰かに言わないといけないと思った。
この場にいる人や、
そしてこの場にいない人にも向けて。
それしか私にはできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!