第002話 第零章二節:魔族の村

1/11
前へ
/2979ページ
次へ

第002話 第零章二節:魔族の村

「あらジャッカスぅ、この肉団子美味しそうねぇ」 「お、流石バフォーのとこの奥さんだ。お目が高いねぇ!今日ドワルゴン様が仕入れてくれた肉で作ってんだ、どうだい?旦那や子供達に一つずつ!」 牛頭のぶっくりした体格の女性に、 ジャッカスというゴブリンが屋台で接客をする。 ジャッカスにとってここは、 毎度見慣れた道で見慣れた場所。 通る顔もほぼ全員が知り合いだ。 「そぉねぇ。じゃあ、9つほど貰おうかしらぁ」 「あれ、8つじゃないのかい?」 「今年にもう1人生んだわよぉ、男の子だからもういっぱい食べるわよぉ」 「おぉ、そうなのかい!じゃあマケとくから10本持ってきなよ!」 「あらぁ、いいのぉ?ありがとねぇ、ジャッカスぅ」 そう言うと木の皮を薄く加工した袋に、 肉串を10本詰め込んだ。 それを渡すと奥さんは手元の銅貨を使ってジャッカスに渡す。     
/2979ページ

最初のコメントを投稿しよう!

916人が本棚に入れています
本棚に追加