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第002話 第零章二節:魔族の村
「あらジャッカスぅ、この肉団子美味しそうねぇ」
「お、流石バフォーのとこの奥さんだ。お目が高いねぇ!今日ドワルゴン様が仕入れてくれた肉で作ってんだ、どうだい?旦那や子供達に一つずつ!」
牛頭のぶっくりした体格の女性に、
ジャッカスというゴブリンが屋台で接客をする。
ジャッカスにとってここは、
毎度見慣れた道で見慣れた場所。
通る顔もほぼ全員が知り合いだ。
「そぉねぇ。じゃあ、9つほど貰おうかしらぁ」
「あれ、8つじゃないのかい?」
「今年にもう1人生んだわよぉ、男の子だからもういっぱい食べるわよぉ」
「おぉ、そうなのかい!じゃあマケとくから10本持ってきなよ!」
「あらぁ、いいのぉ?ありがとねぇ、ジャッカスぅ」
そう言うと木の皮を薄く加工した袋に、
肉串を10本詰め込んだ。
それを渡すと奥さんは手元の銅貨を使ってジャッカスに渡す。
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