第002話 第零章二節:魔族の村

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しかし500年前に始祖の魔王様が、 勇者と戦い行方不明になった事で一気に混乱が出た。 言ってしまえば、 始祖の魔王様ってのはデタラメなほど強かった。 それこそ多種族の誰であろうと、 誰も勝てないと云わ占めるほどに。 その巨大な力を失った時、 一気に皺寄せが大陸全土に及んだというわけだ。 そして我等が村の山近くに住んでるドワルゴン様は、 その『始祖の魔王』の時代に、 魔王様の側近の戦士を務めていたんだ。 言ってしまえば、 当時最強だった魔王様の実力に最も近い男だ。 この村には始祖の魔王様の言葉に恭順した魔族や、 姓を持つ氏族、そして部族が主に集まってる。 長生きしてるやつでも、 村の設立日から生きてるって魔族もいるもんだから、 ホイホイと『力が~侵略だ~』なんて言うやつは滅多に居ない。 滅多にっていうと、 過去に居たのかって思うよな? もちろん居たぜ。 俺もかれこれ50年くらい生きてるが、 50年に1人か2人くらいはそういう奴も出てくるんだ。 そういう奴はこの村から出ていかせて魔大陸の首都か、 魔大陸の南の『闘技都市』と呼ばれる場所に行けと言っている。 排他的な村だって思うだろうが、 力を無駄に振りかざすような事さえしなきゃ、 みんな気楽で良い奴等なんだ。     
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