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しかし500年前に始祖の魔王様が、
勇者と戦い行方不明になった事で一気に混乱が出た。
言ってしまえば、
始祖の魔王様ってのはデタラメなほど強かった。
それこそ多種族の誰であろうと、
誰も勝てないと云わ占めるほどに。
その巨大な力を失った時、
一気に皺寄せが大陸全土に及んだというわけだ。
そして我等が村の山近くに住んでるドワルゴン様は、
その『始祖の魔王』の時代に、
魔王様の側近の戦士を務めていたんだ。
言ってしまえば、
当時最強だった魔王様の実力に最も近い男だ。
この村には始祖の魔王様の言葉に恭順した魔族や、
姓を持つ氏族、そして部族が主に集まってる。
長生きしてるやつでも、
村の設立日から生きてるって魔族もいるもんだから、
ホイホイと『力が~侵略だ~』なんて言うやつは滅多に居ない。
滅多にっていうと、
過去に居たのかって思うよな?
もちろん居たぜ。
俺もかれこれ50年くらい生きてるが、
50年に1人か2人くらいはそういう奴も出てくるんだ。
そういう奴はこの村から出ていかせて魔大陸の首都か、
魔大陸の南の『闘技都市』と呼ばれる場所に行けと言っている。
排他的な村だって思うだろうが、
力を無駄に振りかざすような事さえしなきゃ、
みんな気楽で良い奴等なんだ。
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