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串で焼いてる美味い食べ物。
その二つが出店を並べてれば、
自然とお客が合わせて買っていってくれるんだ。
ま、ちょっとした売り手の工夫ってやつだ。
「実はよ。……最近この町に魔物が棲み着いてるんじゃないかってよ」
「魔物が?マジかよ、いつからだ」
『魔物』
その言葉を聞いて、
ジャッカスが眉を顰めた。
それが本当だとしたら注意しなきゃならない。
成人してる魔族ならともかく、
子供が下手に魔物に近づいたら、
殺されかねないからだ。
ジャッカスは50年近く生きてる大人の魔族だ。
この町の掟もあるし、
その町で生まれて50年生きてきた。
なら、大人が子供を守るのは常識だった。
「二ヶ月前ぐらいに、大猪が東地区の壁に激突してきたろ?」
「あぁ、あったなぁ」
「そん時は夕方で暗かったし、周りに外からきてた行商人の荷馬車もあってゴタゴタしてたからな。壁直さないまま夜は布張って放置してたんだ。多分そん時に、壊れた壁から入り込んだんじゃねぇかってさ」
「……なるほどねぇ、確かに可能性はあるな」
こんな山奥の町だ。
そういう事故みたいなもんは結構起こる。
危険な魔物の被害は、
ドワルゴン様が大体防いでくれてるとはいえ、
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