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「げっ、マジかよ」
俺等は南地区の広場に通じる通りで出店してるんだが、
結構裏道に続く通路ってのが近いんだ。
俺の屋台の目の前にある通路だって、
少し行けば裏道に続いてる。
ゴクリと喉を鳴らして、
裏道の通路を見てる俺に、
ピーグが続けて言った。
「明日は西地区調べるらしいし、明日は俺、農園見てくっから。お前だけでここの店するんだろ?気をつけろよ」
「お、おう……」
そう言ってピーグは心配するように、
ジャッカスに忠告して、
店に来た客に飲み物を渡していた。
幼馴染みのバスラほどではないが、
ジャッカスは気が小さいところがあった。
ゴブリンという種族は基本的に戦闘に向かない。
単体より集団の戦いで活躍するタイプだ。
武器は一応扱えるが、
腕力も脚力も身体能力も然程は高くない。
弱い魔物でも1人で狩るにも、
死に物狂いでやって勝てれば恩の字なのだ。
その魔物が村に入り込んで、
何処かに潜んでいるのだと分かると、
途端に身震いを起こしてしまいそうになる。
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