第137話

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これを輪廻転生(システム)の概念に基づけば、 ジークヴェルトの事をこう呼ぶべきだろう。 『魂の再生者(ソウルリンカー)』ジークヴェルト。 自身の中に『魂』だけだったミハエルの人格を蘇らせた、 まさに異端な能力を持った子供が、 ジークヴェルト=フォン=ライアットという少年だった。 * ジークヴェルトの異端の能力が明かされ、 それを感覚的な凄さで理解できたアイリは、 ミハエルと対面しながら話そうとする。 それをミハエルは右手を軽く上げて制止し、 左手で頭を抱えた様子を見せると、 苦悩が見える表情から声が漏れ出る中で、 ジークヴェルトという肉体を共有した二名が、 会話をしている様子が見られた。 「そろそろ、限界か。――……アイリ、少し待って欲しい。……ミハエル、お願いだ」 「……ジークさんに、戻った?……もしかして、ミハエルさんと話してる……?」 「分かってる。でもこうなった以上は、ちゃんと君からも話してくれないと。……それは君が、勝手に僕の体を使ったからだろ!」 「えっ、あ、あの……?」 「あっ、ごめんアイリ。ちょっと待っててね。……確かにこんな場所に、こんな物があるなんて僕も驚いたけど。……もういい。僕が勝手に止めるよ、いいね?」 「えっ、え……?」     
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