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「これで大結界への干渉は、止まったはずだ。まだ要石の碑文そのものを改変しているわけじゃないから、ライアット式の結界術式なら自動的に術式を再生させて、大結界も修復されると思うよ」
「……ジークさん、ですよね?」
「うん、僕はジーク。さっきまで……というより、ここに来るまで君と話していたのは、ミハエルで間違いはないよ」
「ジークさんは、ミハエルさんとは、いつもさっきみたいに話してるんですか?」
「ああいう話し方は、時々だけ。いつもは、寝ている時に話しているくらいだよ。……ごめん、アイリ。さっきまで僕は気を失ってて、僕が意識を失っている間に、ミハエルが意識の表層意識に出ていたんだ。こんな事は僕等も初めてで、僕等も少し、混乱してたんだ」
「こ、混乱って、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ。……本当はミハエルも、決して悪い人では無いと思う。でも、まさか事を起こそうとするなんて……。ごめん、アイリ」
「い、いえ。ジークさんが平気なら、良かったです」
謝るジークの謝罪を素直に受けたアイリは、
ジークが自身の肉体の主導権を戻した事を確認し、
安堵の息を漏らす。
そうした中でジークが深く目を閉じ、
再び目を開けた次の時には、
アイリに伝えるように話した。
「……ミハエルは、また僕の心の奥に戻ったよ。結局、僕には何も教えてくれなかった」
「え?」
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