第000話 第零章一節:プロローグ

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第000話 第零章一節:プロローグ

『特に幸せでもなく、不幸でもない人生』 それが私自身が感じた前世の記憶だったと思う。 だと思う、という感想には理由がある。 実は私はこちらの世界に来てから、 私自身の素性を特に覚えてないからだ。 けれど私自身の周囲で起きていた事柄だけは、 強く記憶に残っている。 いわゆる『転生者』ではあると思うが、 完璧に自分の記憶を持ってるわけじゃない。 私自身が『私』と、 中の『アタシ』の区別がつくようになったのも、 こちらの世界で5年経った……5歳になった頃だ。 始めに、私がこの世界に来た経緯と一緒に自己紹介をしよう。     
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