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そんな生活に不穏な事件が待ち受けていた。
こんな話は前代未聞なのでは?
そんな『事件』は、幼い娘二人を置いていった母親の身勝手な感情、、、
もしくは、歪んだ愛情がそうさせたのもしれない。
ある日、私達の住む団地に、母から1本の電話がかかってきたのだ。
「お義母さん、お久し振りです。まゆちぇとカコ(姉)に会いに行ってもよろしいですか?」
熊本にいる母が宮崎まで私達に会いに来てくれた。
母とは不仲の祖母も、さすがにこの時ばかりは快く受け入れてあげた。
幼い私は母に抱っこされて、姉は嬉しくて母の足元ではしゃいでいた。
「それでは、お義母さん、〇イエーにまゆちぇとカコ(姉)の洋服を買いに連れていきますね」
母はごく自然に、笑ったという。
宮崎の団地の駐車場から出発した私と姉を乗せた母の車の行き先は、〇イエーなんかじゃなかった。
母は、覚悟を決めて
出発したのかもしれない―――。
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