*母のいない生活

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*母のいない生活

 母が私と姉を置いて家を出ていった。  私と姉は、捨てられた、ということになるのだろうか。  まだわずか2歳・・・一番母親が必要な年齢だ。  幼い娘2人が、こんな状況でも不安定な精神状態に陥ることがなかったのは、祖母がいてくれたからだと思う。  働きながら、私と姉の保育園の送り迎え、温かいご飯を作ってくれた優しい祖母。  寂しがりやで泣き虫だった私の隣で毎晩一緒に寝てくれた祖母。  「まゆちぇ、そんなことも出来ないのー?」  「あーちゃん、出来るもん!!」  姉が私をからかう。  私は自分のことを、何故か『あーちゃん』と言っていた。  「こら!カコ(姉)!まゆちぇはまだ小さいんだよ からかわないの。」  祖母は、末っ子の私をいつも庇ってくれた。  祖母がいてくれたから、母がいない寂しさは紛れていた。  父は、いつも夜遅くまで帰ってこなかった。  仕事、だったのだろうか・・・  今となっては、定かではない。  祖母は私と姉の母親代わりになっていた。  おばあちゃん、だいすき!  おばあちゃん、いっしょにあそぼう!  祖母の愛情を目一杯うけて、このままずっと暮らしていければ、どんなに幸せだったろう。     
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