【8】

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 真顔で言ってから、しまった、と思った時には彼は笑っていた。 「ホントに可愛いな。オメーは」  頭を撫でられると、なんだか子供扱いされてる気がして彼の胸に顔を伏せた。 「そういうとこがいいんだから、気にすンな」 「……気にします」  笑って、ぽんぽんと頭に手を置いて彼は言った。 「んで?……したかったのか?それとも、俺がなんか機嫌悪くしたとか、気にしたか?」 「……ええと……嬉しいけど、正直言って身がもたないかもという気もしたけど、でも、……もしそうやって遠慮してくれてるんだったら、このまま寝ちゃうのも、なんか……約束破ったみたいな気になるので」 「約束って言うなら、破ったの俺の方だろ」  優しい声で、彼はわたしの髪に手を入れる。  洗って乾かしたばかりの髪をさらさらと撫でてもらうと、何か安心して、胸の中が温かく満たされてくる気持ちになる。 「まあ、毎日でも抱きたいのは本当だけどな。けど、こっちもさすがに体もたねえし、それに……どうせするなら、半端にテメェが満足するだけじゃなくて、お前大事にしてやりたいしな」 「……いつも大事にしてもらってますよ?」 「バカ。他に表現が難しいからそう言っただけだ。要は、……もういいってくらいちゃんと満足させてやりてえから、毎日毎日バカみてーにやって1回1回のクオリティ落としたくねえってことだ」 「……何のですか。何の……っていうか、すいません。そんな竜にバカって言われたくないです」
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