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真顔で言ってから、しまった、と思った時には彼は笑っていた。
「ホントに可愛いな。オメーは」
頭を撫でられると、なんだか子供扱いされてる気がして彼の胸に顔を伏せた。
「そういうとこがいいんだから、気にすンな」
「……気にします」
笑って、ぽんぽんと頭に手を置いて彼は言った。
「んで?……したかったのか?それとも、俺がなんか機嫌悪くしたとか、気にしたか?」
「……ええと……嬉しいけど、正直言って身がもたないかもという気もしたけど、でも、……もしそうやって遠慮してくれてるんだったら、このまま寝ちゃうのも、なんか……約束破ったみたいな気になるので」
「約束って言うなら、破ったの俺の方だろ」
優しい声で、彼はわたしの髪に手を入れる。
洗って乾かしたばかりの髪をさらさらと撫でてもらうと、何か安心して、胸の中が温かく満たされてくる気持ちになる。
「まあ、毎日でも抱きたいのは本当だけどな。けど、こっちもさすがに体もたねえし、それに……どうせするなら、半端にテメェが満足するだけじゃなくて、お前大事にしてやりたいしな」
「……いつも大事にしてもらってますよ?」
「バカ。他に表現が難しいからそう言っただけだ。要は、……もういいってくらいちゃんと満足させてやりてえから、毎日毎日バカみてーにやって1回1回のクオリティ落としたくねえってことだ」
「……何のですか。何の……っていうか、すいません。そんな竜にバカって言われたくないです」
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