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「やだ……もう。……いじめないで……」
声が途切れて、ふるえる。
じわりと涙が滲むのを感じたけれど、恥ずかしい格好をさせられたうえに、ソファを汚してしまうほど乱れた今はもう、そんなことを気にする余裕はなかった。
ぐしゃぐしゃになった顔で、わたしは彼を見た。
「りゅ……」
「いじめてるか?俺」
憎たらしいほど冷静な低い声が返ってくる。
「っ……」
「可愛がってるつもりなんだけどな?」
とんでもない声が出そうになって、自分の手で塞いだ。
指を増やして、奥をえぐられるだけでも辛いのに、唇と舌先は容赦なく芯をなぶって――――。
「……んんっ!」
わたしの体は、反り返ったと思うと、がくん、とソファに崩れ落ちた。
彼は立ち上がって、わたしの傍らに手をついて顔を覗き込む。
「大丈夫か」
「……大丈夫じゃないです、もう……」
涙の跡に唇を触れる彼に、わたしは手を伸ばして抱きついた。
まだ乱れて落ち着かない呼吸を静めるように、彼の胸に体を押しつけると、彼の鼓動が肌を通して伝わってくる。
「……気持ちいいけど、やです。もう。……ちゃんと顔見て、抱きつきたいです」
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