【12】

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 彼はソファに膝をついて、わたしを抱いてあやすように背中を優しく叩く。  頬が重なるほどくっついていると、まだほのかに香る石鹸の匂いや、温もりが伝わってきて。  わたし一人がただ感じさせられてるんじゃなくて、二人でしてることなんだ、って。  当たり前の、でも大事なことが触れた体から感じられる。  頬に、唇に軽く重ねるだけのキスをして、彼は言う。 「……じゃ、いいか」 「……うん」  彼は服を脱いで、わたしを抱き寄せて。  横に寝かせて、脚を開く。  押し付けられた先がぬるりと擦れて、びくっと体がふるえる。 「……すず」  わたしを見下ろした彼が、吐息混じりに言った。 「悪い。今日だけ、生でしていいか」 「……え?」 「中出したりしねえから」  答えを待たずに、彼は奥まで沈めた。  さっき、さんざん弄られた体は、苦もなく簡単に彼を飲み込んで。  遮るもののない彼に喜んで絡みついて、快感を貪ろうとするのが分かる。 「っ……あ……だめっ。動いちゃ」  腰を掴んで突き上げられると、いつもより強い、頭のてっぺんまでびりびりと突き抜けるような感覚に襲われる。
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