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「……悪かった。そうだよな。急に親のとこ挨拶行くなんて言ったら」
「ううん。あたしがそうしたいだけだから。……あたし自身はこれ以上変えようがないから、少しでも良く見せたいというか、……騙すとかじゃなくて、竜がせっかく堂々としてろって言ってくれるなら、それに恥じないようにしたいというか……最初も最初だし、出来ることはしっかりしたいんです」
「……そうか」
先週のこともあるし、もっと不安でメソメソするかと思ったけど……。
「……お前はそういう奴だな」
「え?」
「なんでも。じゃ、後で金額教えろよ。全部俺出すから」
「え。いいですよ!そんなの。あたしが勝手に」
「バカヤロ。自分で稼いだ金は、自分のために使え」
「自分のためです!……あたしのためにやってるんです」
言い方まずったな……。
「ンじゃ、手土産だけ出してくれりゃいい。洋服とかは買ってやるから」
「でも、それでなくても家に置いてもらってるし、この前もネックレス……と、このこと落ち着いたら指輪もって今朝」
「ナメてんのか。お前は。働いてる年数の違い考えろ。……気持ちだけでいい。浮いた金で、向こうで先輩に土産でも買ってやれ」
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