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【13】
「……声、ねぇ……」
呟きながら、彼はわたしの中をえぐる。
浅くぬるりと突かれるだけで、ざわりと電気が走る。
「っ……」
弱く、緩く、でも何度も、わたしの気持ちいいところを知ってるみたいにされたら、内側から溶けてしまいそうになる。
押し殺した声が喉の奥から漏れると
「いい子だ」
額にキスして、彼は言う。
「まあ、分かるけどな。言ってることは。俺もお前の声、好きだし」
「……え……っぁ、……だめっ、もう」
彼の肩につかまって、びくっと体が痙攣すると、ほんとにおもちゃになったみたいだと思う。
唇を開いて荒い呼吸を繰り返していると、彼はわたしを抱きしめて、軽く唇を重ねる。
舌を伸ばして触れようとすると
「いいのか」
と彼が聞く。
「いいです。したいから」
蜜の匂いがして抵抗がないわけじゃないけど、でも……それでもいいと思ってしまうくらい、この人と体をひとつにするのが好きでしょうがないんだと思う。
「エロくなったな。お前」
キスの合間に彼が呟く。
「……竜のせいです」
「そういう恥ずかしいの隠すみてーな、ふてくされたような声も、可愛い」
つま先で彼の脛を引っ掻くと、笑って言う。
「なんだ。怒ったか」
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