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「……小さいお子さんが居ての引っ越しとか、それだけで大変でしょうね」 「ねー。現地まで行く余裕無いから、ネットで家決めちゃって、まず旦那さんだけ先に行くって言ってたよ。そういうの聞くと、結婚ってどうかなぁと思うわ」 「彼氏さんと、結婚したいと思わないんですか?」  江崎さんは顔をしかめて、首を傾げる。 「気は合うし、一緒に生活したら週末ボードやったりジョギング行ったり、楽しいこともあるだろうけど……仕事してたら転勤あったり、転職があったり、いい時ばっかりじゃないじゃん?それでなくても落ち込んだ時なんか話したくもないし」 「それは、江崎さんが?彼が?」 「両方だな。自分は、調子悪い時は放っといて欲しいし、奴は構って欲しい方だけどあたしはそういうのウザい。自分で何とかしろ、って思っちゃう」 「……なるほど」  確かに、まだ付き合いが短いからそんな彼は見たことがないけど、イライラしたり、機嫌悪い時だってあるだろうし……そういう時も一緒にご飯食べて同じ家にってことだ。  ハンバーグを食べながら、なんだか複雑な気持ちになってくる。 「あ。で、話戻すと、まだその話は先週課長も聞いたばかりで、あたしもそのタイミングで聞いたんだけどね。だから後任のことも決まってないし、新しく採るのか、涼子みたいに派遣さん頼むのか、それか、あたしと涼子の二人で業務分けてやっていくのか、全然分からないんだけど。……ほんとよろしく頼むから。辞めたりしないでよ」