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「おまえ、最近寝不足?」
確かに。
朝早起きして。めちゃくちゃ身だしなみを整えて。駅まで行くから。
そのあと仮眠をとりはするんだけど。
大学の日は2時間。バイトの日は30分しか眠れない。
そんな話から。一番仲の良い奴に。お隣さんの事を言ってしまう。
覚悟はしてたけど。仲間に伝わるのは直ぐだった。
ランチの時にからかわれる。
「えええ。俺は引くわ。
毎朝、隣の部屋に聞き耳立てて、ドアが開くと自分も出掛けてんだぜ。・・・まるでストーカーじゃんか」
・・・だよなぁ。
俺も自分で思ってたこと。ふうとため息つくと、
目の端に、なんだか慌てたように席を立つ女性が入る。
あんな子大学にいたっけ。新入生かな。派手な感じ。ちょっとお隣さんに似てる。でも、彼女の方がもっとかわいいし、清楚だ。
・・・とまた。彼女のことばかり考えてる。
「俺。やっぱり怪しい人間かな」
思わず声に出すと、友人たちは一瞬しんとして。
「そんなに惚れてるんですね
「先輩、割とイケメンです、大丈夫ですよ
「わかってんならデートに誘えよ
「悪かったよ、言い過ぎた
口々に話し出す。
結局、明日の朝、デートに誘ってみる、と約束させられてしまった。
無理無理無理無理無理無理無理無理・・・呪文みたいだ。
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