11 20歳限定ゲーム

1/2
前へ
/15ページ
次へ

11 20歳限定ゲーム

 ネットで面白そうなゲームを発見した。 『20歳限定ゲーム!』  免許証や学生証、マイナンバーがあれば誰でも参加出来るらしい。  鶴柿はゲームに参加することにした。  免許証を見せてゲートを潜った。  詐欺集団が潜り込んでいるとは知らずに鶴柿は、群馬にある邑楽島にやって来た。  利根川の洪水により邑楽は孤島と化した。  元々は水質浄化センターがあった辺りがゲートになっている。  群馬流通センターのコンテナが見えた。  1999年に生まれたために鶴柿は九九って名前をつけられた。 「鶴柿九九様、ホテルのご予約の方はもうされましたか?」  黒いジャケットを着たスタッフに質問された。  ネームプレートには『正木』とあった。 「ええ」 「どちらに?」 「赤岩ホテルです」  赤岩一角って怪物が『南総里見八犬伝』に登場するが?  滝沢馬琴が書いた時代小説だ。 「かしこまりました」  先にホテルでチェックインすることにした。  赤岩ホテルは東横インによく似た造りのホテルだ。  フロントの美女も黒いジャケットを着ている。  ネームプレートには『柿崎』とあった。 「いらっしゃいませー」  柿崎が優しそうな微笑みを見せた。  カレシとケンカしても微笑みを見せなきゃいけない大変な仕事だ。 「あっ、鶴柿です」 「鶴柿九九様でいらっしゃいますね?」 「覚えやすい名前でしょ?」 「掛け算みたいな名前ですね?」 「よく言われます」 「お部屋の方は201号室です」  カードキーを渡された。 「ゲームに優勝すると無料になるって本当ですか?」 「はい、一旦お預かりしましてですね?優勝した場合にご返金という形になってきます」    どことなく小西真奈美を彷彿とさせるな? 「そりゃあ俄然ヤル気が湧きますね!」  九九は1万円を柿崎に渡した。 「頑張ってくださいね?鶴柿、柿崎……仲良くなれそうですね?」  柿崎がウィンクした。  ズキューン!ハートが萌えている!
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加