6 犬村の殺人

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6 犬村の殺人

 魔の犬の伝説がある犬村の中尾家で、当主の中尾彬の息子、中尾明慶が死体で発見される。  表向きには心臓発作による病死と発表されたが、明慶の死体のそばには巨大な犬の足跡があった。  また、明慶は吉永工業に1ヶ月前まで働いていたことが明らかになった。  永野梨央は、事件の調査を、明慶の主治医であり、友人でもある山本太郎博士から依頼される。  子息のいなくなった中尾彬の正統な後継者は、甥にあたる中尾マフラー1人である。  しかし、太郎博士に伴われて東京にやってきた中尾マフラーの元に、犬村へ赴くことを警告する謎の手紙が届く。  梨央は、赤間の犬によく似た柴犬が青森で目撃されたことにより部下の唐沢哲太に任せた。  唐沢が代わりにマフラーの客人として犬村に同行する。  委細ありげな執事の藤村シュンヤ、とその妻ミチコ、脱獄囚の大角次郎、近所に住む昆虫学者の虫オサムとその美しい妹、マサコなど、唐沢は見聞きしたことを梨央に向けた手紙や自らの日記に綴る。  藤村とミチコの不審な行動は何故なのか?凶悪な殺人犯、大角は何処へ潜んでいるのか?マサコはなぜ自分や、彼女に求婚するマフラーにここを立ち退くよう懇願するのか?  湿地帯で立ち小便をしようと唐沢はやって来た。  ウォォォォォッ!  犬の咆哮!?
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