壊れた心

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先生の言葉になにも言えなかった だって私なにも聞いてないし...... だけど知らなかった振りなんて 出来なかった あっ、そうだった! いかにも今気づきました! ってな感じで 「あっ、今から行くんだった お父さん先に行ってるから おばあちゃんと行くの 先生また明日ね」 早口で一人で捲し立てて 走って帰ってきた 家にはまだ誰もいない どうしようか部屋をいったり来たり ぐるぐると回る すると玄関の扉が開く音がした 急ぎ足で下に下りていくと 義父が帰っていた 「おかえりなさい。 お母さんは?赤ちゃんは?」 義父 「帰ってくるわけないだろ! 帰ってくるのは5日後だ!」 私はがっかりした てっきり直ぐに帰ってくるものだと...... 5日間も義父と二人っきり...... それは過酷なものだった その出来事があってから 私はほとんど笑わなくなり 人の顔色を見て過ごすようになる あの時母が妊娠しなければ....... いや、していなくてもいずれは こういう結末だったんだろう.......
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