第4話

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第4話

何もない砂の道を、ただ黙々と歩いていた。風の動きに合わせて形を変えていく砂丘を、時折カメラに収めるシャッター音だけが不規則に響いていた。 思い出したように吹き荒れる砂嵐と、渇きに蝕まれながら、それでも生きていた。歩き続ける限りは、どこかに辿り着けると知っていた。 目に見える道標も、人影の1つも見えない。それでも、星が道筋を照らしてくれる限りは、歩き続けられた。歩き続けなければと、思えた。 あの日、あの雨の日捨てられた命を、拾い上げてくれた人がいたから。生きなければと、思った……
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