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「そうですわっ!だから今それには触れないで下さる!?」
「大丈夫?[恐怖]。カフェオレ飲む?」
「貴方がいると落ち着けないんですのよ!こちらに来ないで下さるかしら!」
「…そうだね。嫌いな人から心配されても嫌なだけだよね。ごめんね[恐怖]。」
「別に誰も嫌だとか嫌いだとか言ってないですわ!有り難く頂戴致しますわ!」
「えっ!本当!?ありがとう!」
「いや…お礼を言うのはわたくしの方ですわ。」
[恐怖]が僕からカフェオレを勢いよく取り、勢いよく飲む。…うーん。
「大丈夫なのそれ。勢いよく飲んだらむせるよ?」
「…!ゴホッ!ゲホッ!」
「あーぁ。言わんこっちゃ無い。大丈夫?」
「ゴホッ!大丈夫…ですわ。」
「良かったぁ。[恐怖]に何かあったら大変だからね。」
「んなっ!ちょっとそちらに行って下さるかしら!?」
「あ、分かった。待ってるよ。」
「[恐怖]は素直じゃ無いなぁ。それに[楽魅]も鈍感過ぎないか?」
「でも…そこが…ご愛嬌。」
あ、質問を再開してる。邪魔しちゃったなぁ。
「それで、[恐怖]様は一体なんなのですか?林斗様…[楽魅]様が言ってたのは、[喜び]、[悲しみ]、[怒り]しかなかったのですが。」
「じゃあ説明しますわ。最初、人格は1つだけ、[楽魅]の人格しかありませんでしたわ。その時はまだ、[楽魅]では無く、1人の人間、木枯林斗でしたわ。ですが、ある日の出来事を境に、人格障害。いわゆる多重人格者になったのですわ。ですが、普通の多重人格者とは違うところがありました。多重人格が明らかになった頃、まだわたくし達の人格はありませんでした。つまり、他の人格になっても、いつもの木枯林斗となんら変わりない状態でしたわ。だけれど、生活していると、だんだんと人格同士で差が出てきました。まず最初は、[怒り]が林斗から、[楽魅]から分裂していきましたわ。生活の中で、複数の人格の器に、感情が溜まっていきました。その中で、特段早く溜まりきったのは[怒り]です。理由は、もともといた世界の学校でいじめを目撃して、いじめっ子に向かって走り、いじめをさせない為に殴った。だけれど、学校側は、いじめを認識していたのにもかかわらず、いじめっ子には何も対応せずに、林斗が暴力を振って怪我をさせたというところだけに対して、停学処分という罰を下しましたわ。それが理解出来ず、溜まりに溜まった怒りが、あの[怒り]です」
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