二ページ 才能と憧れ

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「ったく、咎愛は純粋だから心配になるぜ、俺さ黄瀬さんを観察してて気が付いたんだけどさ、黄瀬さんってたまに男性を見る目がきつくなる時があるんだ、だから黄瀬さんに近づくきっかけを探してたんだよ」 「平、僕にも分かるように説明してくれないかな?」 「黄瀬さんが不穏な表情を見せる時には決まりがあるんだ、それは、必ず一人でいる男性を見ているってことさ」 「男性が嫌いなのかな」 僕の呟きに平は首を捻った。 「きっとそんなもんじゃない何かがあるんだと思うぜ、黄瀬さんが此処に来た原因になるような何かがな」 「黄瀬さんには色々聞かなくていいの?制約とか経歴とか」 「黄瀬さんには話さない方がいいかもしれないな、特に咎愛が保護対象かもしれないってことは」 僕が平の言葉に首を傾げていると、平は苦笑いしながら言葉を繋げてくれた。 「保護対象ってほかのカナリアからはいい目で見られないんだよ、此処にいても自由に動けたりさ、ほかのカナリアより刑務作業が楽だったり…だからこのゲーム中は殺害の標的になりやすいってことだよ、犯罪歴ある連中より犯罪経験のないやつを狙いに行くのは咎愛にも分かるだろう?」 確かに、犯罪歴がある人より犯罪経験のない人を殺した方が成功率は高いのかもしれない。 保護対象について平の言葉に違和感を覚えたことはこの場で平に追求することをやめた。 僕はこのゲームに参加する前は自由に動けるということはなかった。 だけどそれが僕の思い違いで、ほかのカナリアより僕の方が自由度が高かったのかもしれないし、きっとこのゲーム中に分かる子もあるはずだから今は心に留めておくことにした。 これ以上この場で平に質問を続けるのも気が引けてしまって僕は平の次の行動を待った。
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