カナリアの僕の日記

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刑務官の姿が完璧に見えなくなると僕達はセキュリティハンターに誘導され、ホールを後にした。 こんな施設がここにあったなんて…。つくづく驚く一日だった。 かなり歩いたと思う、時間の感覚は正しい方だからそう確信出来た。 僕達は見たことのない場所に集められた。エントランスは広々としていて、例えるならセレブになった気分を味わえた。 「今から貴方達はこの場所で三ヶ月間、生活をしていただきます、ここでの身の回りの世話は、家事システムが内蔵されたセキュリティハンターにより行われます、最初に貴方達には希望した物を二点だけ渡します、この紙に欲しいものを記載してください」 セキュリティハンターから荒紙と鉛筆を渡されて暫く悩んだ挙句、日記帳と筆記用具と記載して提出した。 「今書いてもらったものは本日中に貴方達の手元に渡るように手配しておきます、それと、この期間内は何をしても自由ですが、貴方達に少しだけ制約をつけます、それぞれ制約の内容は異なるので一人ずつ今から内容が記載された紙を配布します、ここに書かれていることが破られれば即座に命はなくなると思ってください」 セキュリティハンターから四つ折りにされた紙を渡され、ゆっくり開いて中身を確認した。 『萩野目 咎愛様…貴方は今後、手首、足首が露出するような事を控えてください』 よく分からないが、手首と足首を他者に見られないようにすればいいという事なのだろうか、不安は残るかこの状況で逃げ出すことはできない。 僕は制約の書いた紙を握りしめた。僕の制約は比較的に簡単だけど他のカナリア達はどうなのだろうか…。淡々とした表情からは何もうかがえなかった。 「制約を確認していただきましたら、こちらのクローゼットルームから自分の好きな洋服を選んで着用して下さい」 セキュリティハンターが示した方には金のドアノブの豪華な扉があり、男女別れて室内に案内された。最初に部屋に入ったのは女性陣からだった。 女性達は時間をかけて服を選び、囚人服とは見違える格好で戻ってきた。
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