プロローグ

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昔から、少し違和感があった。 周りと比べて、普通だと思う思考も行動も他人から見たら異質に見えたのだろう。だから、小学校の時の自分はみんなから距離を置かれたり陰口をしたり刃物を向けたりしたんだろう。いやもしかしたら理由なんてないのかもしれない。 「あの子ってウザイよね」 「ねー」 全部。 「ほれほれー」 「ぎゃははは」 全部。 「・・・靴が、ない」 全部。 理由なんて些細なことで、他人は誰かを虐めて自分の優越感を楽しみたいだけなのだ、だから全部全部全部・・・僕じゃなくてもよかったんだ。 それでも、僕を選んだのはその些細な理由が他より多かったのだろう。 中学校ではあまり目立たないように生きようと思った。少なからずいた友達にもこれ以上迷惑をかけられないし親にも安心させてやりたかった、それも全部ただのエゴかもしれないけど、それでも僕は満足だった。 だが、中学校といえどメンバーはほとんど変わらずで同じ小学校の人か多数を締めていたことにより環境はあまり変わらなかった。 いや、少しだけ変わった。 中学校で初めて会ったけど雰囲気が家族に似ていたおかげか卒業まで仲良くいれた友達・・・そして、初めて会うはずなのにまたもや嫌味などを言ってくる他人。 何かをした覚えもないし、少なくとも小学校よりかは真面目で静かに生きてきたはずだ。それなのに忌み嫌われると、もう身体の隅々まで染み付いた異質感が拭いきれない状態なのであろう、そう考えた僕は高校では誰も自分を知らない所を選んだ。 友達も、知り合いもいない場所で自分に残ったのは・・・
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