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「・・・」
カチャカチャをと音を立てて、ステージをクリアする。昨日は出来なかった場面もインターネットや攻略本を見れば直ぐにできるようになった、そんな感覚が普通に感じてすぐにハマってしまった。
そんな僕は世にいう陰キャという者だ。
ゲームは僕の心を癒してくれるただ一つだけの存在だった。ゲームをするだけで周りの話題もついていけるし、言葉を交わさずとも相手を理解出来る。ただ一つ、僕の好きな物。
そんな僕は最近流行のアプリをダウンロードした。
タイトルは英語で偏差値40の高校に通う僕じゃ読めない英文、でも内容はちゃんとしていて豪華声優陣や飽きさせないゲーム内容にすっかりのめり込んでしまった。
気付けば、三日目にしてレベルが27となった。貴重な睡眠時間を少しだけ削った割になかなかのスピードだと思う。だが、剣士を選んだのは失敗だったな・・・どちらかといえば僕は遠距離型の方がやりやすい、後でジョブチェンジさせるか。
「____?」
ふとアプリを起動させると、見慣れているようで見慣れない文が現れた。
「ゲームを始める・・・?こんなタイトル画面だっけ?」
まぁ、知らないうちにアップデートされてイベント使用に変わることもあるか、と納得し僕はその下にあった はい の文字をタップした。
___そこからの記憶がない。
~
「____い」
ん・・・あれ、いつの間に寝たんだろ
「___ろって!!」
うるさ、なんだよ・・・自分のペースで起きるからほっといてよ
「おいっ!!!起きろ!!!」
「うっ!?わ!!なに!?」
「やーと起きたか」
あまりの声の大きさに目を覚ました僕はすぐさまその犯人を確かめる・・・すると、そこには犬耳を動かし、尻尾を振る長身の男性がいた。
「へ、え??」
「ジキルだよな?」
「う、ん?確かにそれは僕のユーザーネームだけ・・・あれ?」
いつもの自分とは違う声の高さと、よく見ると見たことある犬耳人間・・・確か・・・
「ハル@バルさん?え、コスプレ??」
ハル@バルさんとはよく一緒にゲームをするネット友達で確か最近入れたアプリで確かにこんなアバターを作ってたような・・・あれ、なんでアバター?
「ハルでいいって、というかそんな事言ってる場合じゃないって!!見ろよこれ!!」
そう言って周りを指すハル・・・さんを目で追うとそこは・・・
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