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第一話「はじめましてのご挨拶」
「マクウェルズが禁忌指定の兵器の開発をしているのではないかという噂があります。事の真偽を確かめていただき、真実なら犯人を捕まえてください」
曰く、その禁忌指定の兵器が開発されているとされる軍事施設はマクウェルズでは南方の湾口都市サルザにあるという。
「もしも本当だったら国王に話を聞かないといけないが、どうだ?」
「もしも真実であれば、申請は出します」
「申請、ね」
新人であるリウォルは知らぬ事であったが、この申請は上層部からの許可が降りない時がある。何処かきら圧力がかかっているのだろうと推測出来るが、仕事を邪魔される方はたまったものじゃない。
加えてマクウェルズはグラアゼスが大陸随一の国家であるとして国際会議などで場を仕切っているのを面白くないと思っているとの噂がある。まず、面会に応じないだろう。
「…それでも、それが手順です」
異端諮問局は基本罪人の集まりなので立場は弱いのだ。刑期の短縮の為に働いているような物なのだが、短縮したところで…という者も多い。
「で、どうやって行くんですか?」
初めての遠出に少しテンションの高いリウォルが尋ねる。馬や馬車だろうか。
「飛竜に乗って行って下さい」
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