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ガザール・タルの戦い(前編)
前線部隊はラジェーナ砦を出発後、いくつかの戦いを確実に勝利して前進していった。
ランバート加入によりファウストが無謀な戦いをする事が抑えられ、歩みはやや遅くなったものの確実に地盤固めをしている。
その為、ラジェーナ砦に置いていたシウスとエリオットは最前線のファウストの側に付くようになり、より確実な行軍が行われている。
制圧した町や村でも、アルブレヒトがいることで歓迎された。地方貴族などはむしろアルブレヒトを心酔している者が多いらしく、忠誠を誓い人を出し、兵糧を分けてくれている。
その為予定よりもスムーズに進んでいると言えた。
とは言え王都が近づくにつれて敵の練度と抵抗は大きくなり、そう易々とは通してはくれない。特に指揮官が戻ってきたのだろう最近の戦いでは、押し込んだと思ったのに押し戻される事が多くなった。
ランバートも戦場で、二人の人物を確認した。
金髪に、頬に傷のある体躯のいい男。真面目そうな顔で表情はとても少なく思えた。こちらがダンの言っていたラン・カレイユ近衛騎士団のテクムなのだろう。
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