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合流
その後、忙しく本陣を旧ジェームダル本陣へと移している間に夕刻となり、夕食を囲んでの穏やかな時間となった。
「それにしてもマーロウ、其方本当に顔色が良くなったなえ」
シウスの隣にはマーロウがいて、多少居心地が悪そうにしている。それというのもラン・カレイユ組は徒歩移動だったので、ここまで来るのに体力のないマーロウはチュウェンに担がれてきた。それを見て、皆がとりあえず口をあんぐりする事になったのである。
そこからはあれこれと経緯という名の馴れ初めを聞き出し、シウスはニマニマしていた。
「のぉ、チュウェン殿。そちららが嫌でなければこれを貰ってくれぬか? どうにも少し人間らしい生活をさせたいのだが、我等では手に負えぬでの」
マーロウの隣で同じく居心地悪くしているチュウェンは、シウスに話を振られた途端に咳き込んでしまった。そして同じくマーロウもシウスを睨み付ける。
「そちらが新婚だからと、あれこれ世話ジジイしないでください」
「案じておるのよ、マーロウ。其方ほどの才児が夭逝などしようものなら惜しくてならぬ。しかも理由が不摂生ではの。チュウェン殿なら適任じゃ。なんならこいつ専属の生活管理として雇いたい」
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