(4) ハピメリ

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「まどか! 藤沢君ってかっこいいわねっ!」  帰り道、お母さんはひっきりなしにそんなことを言うものだから、お父さんはすっかり拗ねてしまった。 「ちょっとイケメンだからって……」 「おまけに礼儀正しいし!」 「先輩なんだから、当たり前だろ……」 「まどか、お母さんは応援するわよ! 先輩の彼女になれるといいわね」 「かっ……彼女なんてまだ早いっ!!」 「お父さん、声大きいー近所迷惑ー」  お姉ちゃんに注意され、しゅんとするお父さん。女系家族に男一人はどうしたって不利だよね。 「でも、イケメンは認める。正直、あんなにイケメンだとは思わなかった。あれは行列できるわ」  お姉ちゃんが納得したように頷いた。  藤沢章臣握手会と私が勝手に名付けている受付業務の話も、うちの家族は全員知っている。  私がこの話をした時は大袈裟だの、盛ってるだのと、散々言ってたくせに。
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