第四章 恋なんてもうしないと思っていたけれど

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 高校生の頃に遭遇したあの瞬間があってから、すっかり恋愛は諦めていたけど、自分の趣味を理解してくれる人に出会えたのは本当に嬉しかったんだよね。チアキくんとお喋りしていた時間は心から楽しくて、世界がきらきらしているように思えて。  少女漫画で主人公がヒーローにときめくシーンってキラキラふわふわしてるけど、本当にそう。そんな感じ。まさに『トゥンク///』って!  出会いはナンパだったけど、もしかしてってほんの一瞬だけ夢を見た。  でも、連絡先は交換していない(スマホのメッセージアプリにそれらしい人が見当たらない)から、まあ……そういうことだったんだろうね。ご縁がなかった、というか。 「……はぁ……やっぱり私には推ししか」  ポケットからスマホを取り出して、ロックを外しアプリを立ち上げればすぐにこちらに笑いかけてくれる推し(貴方)がいる。  しかも『お昼の時間だー! ねぇ、一緒にご飯食べよう?』って私をランチに誘ってくれる──!  ああ、彼の笑顔が眩しい。私、彼のプロデュース頑張っちゃう。 「ただいまぁ……」 「ちょっとぉおおモトコぉおお!!」 「ぐぇ、ちょ、なに!?」
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