第四章 恋なんてもうしないと思っていたけれど

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「悲しい!? なに、何があったの!? 私に教えてくれるかな!?」  てへ。私はどうにも冷静になるのが苦手みたい。どうしてもマルスにつられちゃう。  これはまたご近所さんからお叱りを受けるだろうなと思いながら私は事情を尋ねた。  私がコンビニに出かけていた数十分の間に、一体何が起きたんだろう? こんなに泣くってことは、ストハリのリーダーが結婚したのと同じくらいのショックを受けたと思うんだけど……。 「うっ、ぅ……ずびっ、あ、あのね……ずずっ」 「うん、うん」  少しだけ落ち着いた様子のマルスが、嗚咽を堪えながらゆっくりと話し始めてくれた。  私は相槌を返しながらマルスの話に耳を傾ける。 「アタシ……アタシね、彼を助けてあげたかったの……ずずっ」 「……うん?」  ──だけども、早速首を傾げることになった。  彼って、一体誰のことだろう。まさかマルスは私以外に知り合いでもいるの……? そういえば、ストハリの追っかけしてたって言ってたし、その繋がりで友達がいてもおかしくはないよね。  それともマフユくんとか……? カラオケですごく意気投合してたしなぁ。
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